犬婆との闘い

おでの実家にはおでが中学2~3年の頃から飼ってる犬がいました。つい最近死んでしまいましたが。

この犬に対するストーカー『犬婆』が現れるようになったのはたぶん飼い始めてから6~7年くらい経った頃だと思います。実際にはそれよりもっと前から出現していたのかもしれません。
おでは既に実家を離れてたし両親は共働きで妹は学生なので昼間は誰も家にいません。なので、この『犬婆』の存在にしばらく誰も気付かなかったんですね。

 

当時おでは、休みが平æ—\の職場にいたので時折平æ—\昼間の誰もいない実家に忍び込んで米を失敬したりしておりました。そのæ—\もおでは米を盗み出そうと実家にやってきました。すると、見慣れないババアがウチの前で犬にエサを与えているではないですか。それも、オヤツというカンジではなく明らかにゴハンと言うべき量と質です。

なんだ?この状況は?

一瞬、頭が混乱しました。

犬小屋は玄関のすぐ脇なので、これは、このババアにçŸ\らん顔して家にå…\るのはなんか気まずいぞ?やっぱ「どうも~」とか一声かけなきゃいけないんだろうか?

いや、待て。そうじゃねぇだろ。おではåˆ\に他人の家を訪問してるワケじゃねぇんだ。ここはおでのウチで、そいつはウチの犬じゃないか!

「何やってるんですか?」

そうだよ、これが普通の反応だ。

「おー、よしよしかわいいねぇ~。こんなにかわいいのに、こんなに痩せて、かわいそうにねぇ~。ほら、もっと食べなさい」

ババアは質問に答える代わりに己が如何に犬å\½ãã‹ã‚’アピールしているようだ。おでがこの家の人間だとは気付いてないようだ。

「いつもそうやってエサあげてるんですか?」

「このコ、痩せちゅうろう?なんか貧相で、見よったら可哀相になってきてねぇ、人懐っこいし情が移ってねぇ」


貧相だとこのクソババア?


勘が鈍くなければこの質問でおでが家人だと気付きそうなモノだが、それとも気付いてて嫌味のつもりで言ってんのか。言うに事欠いて、貧相とは。ヒトんちの犬捕まえて貧相て!


「いやね、勝手にそういう事されると困るんですけど?」

ババアは「意味がわからない」と言いたそうな顔をしている。


「ウチはちゃんと毎æ—\決まった時間にエサを与えてますし、それに合わせてå\康管理してます。毎æ—\飼い主のçŸ\らんところで勝手にこういう事されるといつ何をどのくらい食べてるのか把握できませんよね?それにまるでウチのモンがロクに世話してないみたいに不憫がられるのも不愉快ですし」


「でも、こんなに喜んで食べるのにï½\ï½\ï½\」

コイツは、まだ自分が何をしているのか理解できていないようです。もっとハッキリキッパリ言っておかなければ普通にまたæ\そうです。


「動物は満腹でなけりゃ大抵の物は喜んで食べますよ。喜んで食べてりゃブクブクに太るまで食べ物あげるんですか?」

「オバサンが犬をどんなふうに可愛がろうとそりゃアタシのçŸ\ったこっちゃないですけど、それやったらどうぞ自分の飼い犬をå\½ããªã ã‘そういうふうに可愛がってください。ウチの犬にされるのは迷惑ですから。」

ババアはすっくと立ち上がると、フンッとでも言わんばかりに怒って帰っていきました。「ヒトの親切を仇で返して、この娘は」とでも言いたげです。


どうも、与えているエサの量と糞の量が合わない。ちゃんと散歩してうんこさせても必ず家の前に2回はウンチをする。他所の犬がæ\てしてるのかと思ったけどどうもそうじゃないらしい。と時々母が漏らしていたが、こういう事だったのだ。何事も辻褄の合わないモノには必ず原因があるのだ。

ウチの人間にしてみればまさか自分達のçŸ\らないところでそんなに大量のエサを貰ってるなんてçŸ\る由もないのでね、きちんと散歩させてウンコさせても必ず毎æ—\家の前でウンコをするモノだから、もう仕舞いには「わざとやってるんじゃないだろうかこの犬は」とかわいいワンちゃんがいらぬ叱責を受けているともçŸ\らずにね、よく無責任にそんな事ができるモノだな、と。

可哀相って、ちゃんとエサを貰ってる飼い犬ですよ?そこら辺りにもっとひもじい思いをしてる野良犬がゴマンといるにも関わらず、なんでウチの犬が可哀相なのか。分åˆ\のつかん小学生ならまだしもねぇ、いい大人が、アンタ。ヒトん家の犬に勝手に毎æ—\エサやるて、常識で考えておかしいでしょう。


そう言えば、おでがまだ実家にいた頃にも夜中、仕事帰りに家の前を通る肉屋のニイさんがそのæ—\店で余った肉をウチの犬に与えてた事もあったな。
生肉ですよ?アタったらどうすんだ、寄生虫湧いたらどうすんだ!しかも飼い主よりもいいモン食わせやがって!おかげでその当時はしばらくドックフードとか食べなかったし。

まあ、こういうのは、犬がå\½ãã ã‘ど飼えない環境にいる、とかいう人達なんでしょうけどね。それでも、これは『やってはいけない事』です。
何か勘違いした犬å\½ãã¯ã‚ˆãçŠ¬ã‚’人間と混同しがちですが、通常犬には犬の習性があります。犬は本æ\群れを成す動物で、群れの規律を守り群れのリーダーに服従するのが普通です。人間視点で言えば『服従』というのは聞こえが悪いモノですが、これはåˆ\に犬にとっては可哀相なことでも何でもなく普通の事です。その代わりリーダーは群れの安全確保や治安維持といった責任を背負っているワケですし、犬はむしろ自分より強く頼れる者に従う事で安心感を得るのです。
犬は飼い主家族を一つの群れと見なし、自分もその群れの中の一員と考え常にその群れの中での自分のポジションを確認しています。自分より強い・偉いと認めた者には従順ですが、コイツは自分より低い、と判断された場合は非常にナメた態度を取られます。
ウチの場合は『親父(生命的危機感)→おかん(萎縮)→おで(アニキ分)→犬→妹(コイツは噛んでもいい)』といったカンジでした。
ウチの犬は直感的な恐怖心で親父をリーダーと認めてましたが、通常は一番家によくいてエサや散歩の世話をしてくれる人間をリーダーと認識する事が多いようです。
そこへ群れのメンバーでない人間が現れて毎æ—\エサをやったりすれば犬は普通に混乱します。それまで築いてた群れの秩序が犬の中で崩壊するワケです。つまり、これは飼い主家族と犬の関係を掻き回す行為でしかありません。
犬にしてみれば飼い主一家はどちらかが死ぬまで付き合わなければならない群れ。野生の群れのようにリーダーの挿げ替えなんかはないのですから、この群れの中での信頼関係が薄れ犬が飼い主をリーダーと認められなくなってしまったらこれはそれから先の関係を考えると犬にとっても飼い主にとっても不幸な事です。

それわかってやってんのかええコラ、と。犬å\½ãã¨ã‹è¨€ã†ãªã‚‰ãã‚Œãã‚‰ã„学んどけやクソバカタレが、と。

結局、犬婆はその後も懲りずにエサをやりにæ\ていたようで、一度おかんが「そんなにかわいけりゃどうぞ連れて帰って飼うちゃってくださいや」とまで言ったそうだが暖簾に腕押し、「自分はただこうやって可愛がりたいだけだから」みたいな事を言ったらしい。
要するに糞の始末や散歩や予防注射や病気の治療とかそういうめんどくさい事はナシでただエサをやって尻尾振ってもらって撫で回して満足したいお宅の犬で、と。責任は持ちたくないけど可愛がりたい、と。胸を張ってそう言ってるワケだ。頭の悪いオバハンは嫌味の一つも理解できないらしい。

こういう輩とはマトモに話しても永遠に噛み合わないのでね、結局犬小屋を駐車スペースのå\\に引っ込めました。昼間は車が停まってないので道路から丸見えではありますが完全に敷地内なので普通の人ならそこまでå…\ってくる事はないと思います。普通のç\žçµŒã®äººãªã‚‰ã­ã€‚
しかし、相手はちょっと常識に欠けてる人ですから、親父(大å·\)が余った木材で膝丈ほどの柵を作り昼間はそれを駐車スペースの前に並べます。自分勝手なわがままババア一人のために何でウチの家族がここまでしなくちゃならないんでしょうね。

そして、ウチの犬を自分の犬のように可愛がる事ができなくなった犬婆は何æ—\間かウチの前で立ち止まっては「ああ、かわいそうに。ああ、むごい。あんなå\\に引っ込められてï½\ï½\ï½\」とため息をついていた、とお向かいのå\\さんが教えてくれた。

何が可哀相なモンか!犬にしてみれば自分が可哀相だなんて思っちゃいないですよ。可哀相なのは犬をå\\に引っ込められて今までのようにå\½ãå‹æ‰‹ã§ããªããªã£ãŸã‚ªãƒãƒãƒ³è‡ªèº«ã§ã€ãã‚Œã‚’体よく物言わぬ犬に挿げ替えてるだけでしょうが。百歩譲って犬が可哀相だとしてもこうなったのは物事の分åˆ\をつけられないテメエのせいだろうが。ホントに、なんて遠まわしに胸糞悪いババアなんだ。

 

一般的に、無力な動物に対し暴力を振るったり無情であるとカンジの悪い人に見え、逆に動物å\½ãã§ã‚ったり動物に対して優しいとそれだけでいい人に見えたりするから不思議である。

しかし、たとえ動物å\½ãã§ã‚‚、このババアが『いい人』だなんて、絶対に思えない。笑


現代社会では自分のストレスや不満の宛所を無抵抗な動物に向けるという卑劣な行為も特に珍しいモノではなくなっている。
無抵抗で無力な者を力のある者が隷属させる、というのは単に動物の本性の一部であるが、我々ヒトは通常、理性をä»\ってこういった動物的な本性がå‰\き出しになるのを抑制している。

この『理性』の最もわかりやすい形が宗教で言うとã